学校に行っていないという女子を説教しちゃいました。といっても、専門学校ですけど。
神待ちで説教は禁忌だって分かっているのに、ついやっちゃいました。
だから、家に泊めてあげた翌日には、不機嫌な様子で家を出て行ってしまったんです。

その子は、学校にも行かず適当に遊んでいる女の子でした。
友だちの家に転がり込むのも限界がきて、それで神待ちをしていたんですね。
ほかに行くところもなく困っているところに、都合よく泊め男が見つかったんです。
それがワタシなんです。

神待ち女子の話す事情は、大抵適当な内容で、本当のことかどうか分かりませんし、そもそもそんなに気にしないのが普通ですよね。
ワタシとしても女の子と一緒に時間がすごせるだけでいいですし。
でも、この子の場合、本当のことを話している感触がありました。

ワタシには、その子が将来のことを全く考えていないのがどうしても心配になってしまいました。
掲示板から泊めてあげたこれまでの女の子には、ちゃんと生活があって、それと別の次元で遊んでいるだけでした。
でもこの子は違ったんです。
少なくともワタシにはそう思えました。
居場所がないから、くらいの感じで簡単に家を出ていたんです。
泊めてあげたのがワタシだったからよかったようなものの、ほかの男だったら何をされたか分かりません。
というので説教してしちゃったんです。
考えてみれば、説教されるほうがあの子にとっては嫌だったでしょうね。
それより「何か」をされたほうがよかったかも、なんてね。

自分でもやらかした自覚はありましたので、翌朝の不機嫌な様子から、二度と連絡をしてこないだろうと思っていました。
が、数日後、予想外の人物から連絡がきました。
もちろん、あの子でした。
曰く、相談したいことがある、と。
長そうだからワタシの家に来るように伝えました。

家に来た彼女の話を聞くと、今後のことを相談したい、と。
曰く、本当に心配されたのが初めてとかで、ほかに頼れる人がいない、と。
そんなことを言われても、ワタシにできることは限られています。
家に泊めてあげるか、相談に乗ってあげるくらいのものでしょう。
それでよければ、というと、それでいい、と。
結局、一晩話を聞いてあげると、ひとまず家に帰っていきました。
これから学校も再開するつもりとも言ってくれました。
そして、学校に通っているなら、いつでもワタシの家に泊めてあげると言ってあります。

あの子には恋愛感情とかいうよりも、なんだかあの子の親になったような気分がしてます。
年ごろの娘と一緒に寝ているのに下心が湧いてこないのですよ。
確か神待ちやってたはずなんだが。
これじゃ、神待ちじゃなくて子持ち。
おあとがよろしいようで。